KOGANEI授業セミナーを終えて

 KOGANEI授業セミナーにご参加いただいた皆様ありがとうございました。短い時間でしたが、多くのご質問ご意見をいただき、研究を深めることができました。

セミナー会場にて

本校国語部では「ことばで豊かに学ぶ子の育成」に向けて、とりわけ「批判的思考を働かせて読む姿」に着目して、研究を進めてきました。「批判的思考を働かせて読む」姿に「ことばで豊かに学ぶ子の育成」につながるヒントがあると考えたからです。
1年生の実践を行うにあたって、「1年生は批判的思考を働かせているか」という問いがありました。そこで、1年生の実態から批判的思考の内実を推測し、それがより促進されるように、学習環境をデザインし、実践を行うこととしました。
実践を通して、小学校1年生は「批判的思考態度」(道田,2001)をもって文章に対峙していること、1年生なりに筆者を意識し、筆者の論理にも着目しようとしていることが分かりました。一方で、文章の構造よりも内容に驚く姿、文章全体ではなく、1つ1つのことばにひっかかりながら読んでいく姿も多くあり、1年生の実態や発達についても考えさせられました。
実践のまとめ(小金井小研究紀要に寄稿)を添付いたしますのでぜひご参照ください。
今回の発表では、1年生が主体的に学習に取り組む姿を、「わちゃわちゃ」ということばで、ご参会の先生方と共有できたことが何よりもうれしかったです。また、批判的思考というのは批判というマイナスの思考ではなく、ことばへの気付きや論理の理解であるということを再認識することができました。
講師の中村先生には、実践から見えてきたこととして、説明文を学ぶときの6つの視座をご示唆いただきました。文章を読むときには「内容を読むモード」「ことばを読むモード」があり、これらを「文章の文脈」「筆者の文脈」「読者の文脈」においてそれぞれ組み合わせながら読むということになるのではないか、こうしたいろいろなモードで、いろいろな読み方で文章へアプローチしていくことが、中学3年生の指導事項として挙げられている、批判的に読みながら文章を評価する姿につながっていくのではないかとのことでした。また、文章を読むときには、感性や想像から始まり、その後、思考することや論理的に考えることに移行していくというプロセスがあることもご示唆いただきました。
これからも、6つの視座を意識しながら、読むことのプロセスが活性化されるような学習環境をデザインした実践を通して、「ことばで豊かに学ぶ子」の姿と教師の役割について追究していきたいと思います。
ご参会ありがとうございました。今後もご指導賜りますようお願い申し上げます。

「どうぶつの赤ちゃん」実践のまとめ

(文責 大村)

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