国語部ことばのリレーVol.4 ~エルフとジロー 2つの大すきものがたり 2026.10.30~
今週は、大村が担当します。今日は、少し個人的な話を書かせてください。
「ジローの ことを はなします。ジローは、せかいで いちばん すばらしい 犬です。」
光村図書1年下の『ずうっと、ずっと、大すきだよ』のはじまりです。
私の愛犬ジローは、『ずうっと、ずっと、大すきだよ』のエルフのように年をとり、1週間ほど前から、とうとう寝たきりになってしまいました。
走ることが大好きで、朝と晩に30分近く散歩をしても、「もっともっと」と走り回る犬でした。食べることが大好きで、ドッグフードをぺろりと平らげても、「もっともっと」と私たちの食べているものを狙ってくる犬でした。夕暮れには寂しくなるのか、大きな声でワンワンと鳴いて、「もっともっと、ぼくを見て」と訴える犬でした。わんぱくで、食いしん坊で、甘えん坊。一緒にいるのは大変でしたが、一緒にいることで、たくさんの幸せをもらいました。
ジローが寝たきりになってから、『ずうっと、ずっと、大すきだよ』の一節が頭から離れません。
「ある あさ、目を さますと、エルフが、しんで いた。よるの あいだに しんだんだ。」
その朝、動かなくなったエルフを見て、ぼくはどう思ったのだろう。何をしたのだろう。エルフは、夜の間、どんな様子だったのだろう。物語には書かれていないことに、思いが向かい、そして、いつしか、エルフの姿にジローを重ねる自分がいました。夜の間、寂しくなかっただろうか。痛いところはなかっただろうか。私たちは、いつ、そのときを迎えるのだろうか。ジローは、幸せだっただろうか。
物語のこの場面が、まもなく私たちにも訪れるかもしれない。そう思うと、胸がいっぱいになります。
12月に、1年3組のみんなと『ずうっと、ずっと、大すきだよ』を読む予定です。物語を読んだとき、心に残る言葉や場面は、それぞれです。私は、この一節に立ち止まるでしょう。みんなはどう読むのか、聴いてみたいと思います。
子どもたちは、別の言葉や場面に心を寄せるかもしれません。教室では、指導案に沿って授業を進めようとするあまり、子どもたちの読みを通り過ぎてしまうことがあります。そうしないためにも、単元のはじめ、物語と出合ったときに、「どこが心に残った?」「どうしてそう思ったの?」と、問うてみることが大切だと考えています。子どもたちも、それぞれにさまざまな経験や思いを抱えて、物語を読んでいます。その読みを聴き合うことこそ、物語と自分との対話が生まれ、読みを深めることにつながる大事な営みなのではないかと考えています。
単元名は「かたりあおう ぼくの「大すきものがたり」」としました。12月の教室で、ぼくの「大すきものがたり」と、子どもたちの「大すきものがたり」、そして、私の「大すきものがたり」を語り合い、みんなで♡いっぱいに過ごしたいと思います。ジローにも届きますように。(大村)

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